そもそも僕は何がしたいの?
仕事というものを考えるといつもそうなる。
自分は何なのか、何に興味があるのか、それが仕事にどう繋がるのか。
本音を言えば、自転車に乗りたい、ギターを弾きたい、ボクシングをやりたい、海外でゆっくり暮らしたい
だがそれでは生活していくことはできない。
ツールドフランスで活躍するようなパフォーマンス、観客を魅了するような音楽センス、世界チャンピオンのような強さ、海外の現地民を差し置いてまで採用されるようなスキル、
それらが僕にはない。
それでも一応、仕事探しはするが、なかなかパッとこない。
求人数が多いということで都会で仕事を探しているが、また都会で暮らしたいとは思わない。
もし仮に受かったとしても、素直に喜べないだろう。
それどころか、辞退する。そんな気がするほどだ。
そう思った理由は、都会に住んでいた頃は、楽しみがあるようで、何も楽しみがなかった。
土日の楽しみといえばボクシングぐらいで、何もなかった。いや、作ろうと思えば作れたのかもしれない、だが、自然が好きな僕にとってはビルに囲まれた人混み多い街を歩くのも苦痛に感じていた。
いつまでこの生活が続くんだろうなー
その当時は勤めていた会社の業績悪化も重なり生活も大変で、常にそう思っていた。もしお金があったらまた感じ方は変わっていたかもしれないが、本当に不安しかなかった。
ただ、安心したかった。
そして、理由は違えど再度、不安が僕に押し寄せている。
不安が募り、ふと実家のおばあちゃんを訪ねた。
「おばちゃーん」
おばあちゃんは僕の呼び声に気づき、快く迎えてくれた。