当時僕は某旅行会社に勤務していた。
大学を卒業し、新卒で入社した会社だ。
入社1年目、どんなサラリーマン生活がまっているのだろうか。
そんなことを考えていた時だった。
『休業します』
メールでいきなり連絡がきた。
コロナ禍になり一度も出社することなく仕事がなくなった。
働くのか働かないのかどっちつかずな会社の対応に振り回される。
そんな時期が1年ほどあった。(この時のことはまた別の記事で書けたらなと思う)
正直会社には言いたいことが山ほどある1年だったし、人事の人とも言い合いをした。
一度も働いてないが会社への忠誠心など1ミリもなかった。
そんなある日会社から連絡がきた。
〇〇社に出向してください。
そこから僕のサラリーマン生活は始まった。
実に1年越しの初勤務。
正直、こんな会社やめてやろうと思い転職活動していた最中だったが、思うようにいかないところもあり、一旦出向先に行くことにした。
会社は若干遠方ということもあり、引越しをすることに。
当時、ボクシングをやっていたので、どうせならボクシングジムに近いところに、そして好きなボクサーがいるところにしたい。
そう思って迷わずボクシングジムの近場に部屋を借りた。
部屋も決まり。色々サラリーマンとしての新生活、だが僕はボクシングをやることに胸が躍っていた。
プロになりたい。
その一心だった。
出勤初日、僕は驚いた。
そこには同じ時期に入社した同期がほぼ全員と、その他はほぼ全員が高年齢層の派遣社員で埋め尽くされていた。
僕はすぐに悟った。
個人的な偏見が入っているかもしれないが、こんなところにはいてはいけない。
直感でそう思った。
しかし、周り同期達は僕と同じような危機感を感じているそぶりはなかった。
同期と楽しく和気あいあいと過ごしている。
決してそれが悪いことではないことは分かっているし、むしろ同期と仲良くやるのは協調性があり良いことのように思える。
ただ、僕にはそれが、なんというか、大学の延長線上の光景に見えた。
こんなところで貴重な20代を終わらせたくない。
ひねくれてるかもしれないが、素直にそう思った。
そんなこんなで出勤初日で、転職活動再開しますフラグが立った。
気持ちとしては安心なんて感じず、むしろ危機感しか感じない。早くここを抜け出さないと沈んで抜け出せなくなる。そんな底なし沼にいるように感じていた。
しかし、そんなひねくれものの僕にも話しかけてくれる同期はいた。
数少ない男の同期達だった。
(僕がいた旅行会社は女性社員の人口が多く、男性社員のほうがむしろ少ないぐらいだったので男子は固まっていた。それか女子多数の中に男子が数人入ったグループがあったりした。)
なんと、こんなひねくれたことを考えている僕に声をかけてくれて、昼休みに一緒にご飯を食べようと誘ってくれたのだ。
それから数週間ほど一緒にお昼を共にしていたが、ある日、僕は一緒に食べるのをやめた。
理由は、話していて、会社の愚痴は聞くけど、前向きに行動しているように思えなかったから。
自分の悪い癖なのかもしれないが、居たくない会社に文句をいいながら居続けるより、先に向かって行動すれば。
と、思ってしまうから。
僕はお昼の時間をこんな何の生産性もない愚痴会に費やしたくない。
今こうやって書いていても僕のことを嫌なやつだろうなと思う人はいるかもしれないと感じる。
しかし、僕はもがきながらでも前に進んでいるという感覚が欲しかった。
ただ今の環境で耐えていたら明るい未来がくるなんて思えなかった。
未来は自分で作って手に入れる。だから、お昼の貴重な時間は自分に充てたい。
そう思ったからこそ、お昼は1人で食べるようになった。