他のトレーナーから呼び出されて事務所につれていかれた。
「お前、今の状態でプロテスト受かると思ってるわけ?」
詰めるように問いかけられた。
「わかりません」
出た答えはこの一言
正直な答えだったし、それ以上でもそれ以下でもない、
本当に分からなかったからそう答えた。
その時は何をやっても上手くいかない時期でスパーリングでも手応えがあるものが少なかった。
優先なスパーリングをしても、自分としては納得のいく内容でなかったり、試行錯誤しながらもがいている時期だった。
自分としては全力で準備しテストに挑む、それだけだ。
そう思って毎日必死に練習していた。
だから、受かる受からないなんてやってみないとわからない。
そのような思いが質問に対してでたのだと思う。
「今のお前の実力じゃ受からねーよ、そんなプロテスト甘くねーから。OOだって落ちてるんだぞ、あと1年ぐらい必要だは」
そのトレーナーはいつもは人をいじって笑いを誘ったり冗談を言うような人だったが、この時のトーンは本気のように感じた。
「…」
僕は黙り込んだ
「今からでも遅くねー、担当のトレーナーに辞退すると連絡しろ、自分の身の丈をわきまえないで誰でもプロテスト受けてるとウチの看板を汚すことになんだよ」
僕は何も言い返せなかった
なぜなら実力がないのをわかっていたから。
「わかりました」
そう言ってやり取りは終わり、すぐに担当のトレーナーに辞退の連絡をした。