僕は以前、ボクシングをやっていた。
エクササイズとかではなく本気でプロボクサーになろうと思ってやっていた。
だがそう上手くいかないこともある。
仕事の関係でボクシングから一定期間離れることになった。
その前にプロテストを受けてプロボクサーになりたい。
トレーナーに相談した。仕事のことは伏せて、今のレベルどこまでやれるのか、それを踏まえてプロテストを受けたいと話した。
トレーナーの答えは、「受けろ」
だった。
嬉しかった。
それに向かって頑張っていた。
ただがむしゃらにサンドバッグを叩いて、トレーナーのミットを打つ
スパーリングの回数も増えていき、徐々に相手のパンチへの恐怖心にも慣れていき、試合慣れもしてきた。
そんな時だった。
「お前プロテスト受けるのはえーよ」
他のトレーナーからそう言われて呼び出された。